✅この記事の要約
- 杉並区は人気住宅地が多い一方で、再建築不可物件も多く存在する
- 購入リスクは「資産価値の低さ」「融資困難」「災害リスク」
- メリットは「相場より安い」「リフォーム活用」「賃貸需要」
- 解決策は「隣地買い増し」「セットバック」「行政の支援活用」
- 駅近や需要の強いエリアを選び、出口戦略を意識すればチャンスも
杉並区に多い「再建築不可物件」とは?

杉並区は、荻窪・西荻窪・阿佐ヶ谷・高円寺といったエリアを中心に、住みたい街ランキングの常連でもある人気住宅地です。商店街や緑豊かな住宅街が共存しており、都心へのアクセスも良好なため、ファミリー層から単身者まで幅広い層に支持されています。
一方で、杉並区は戦後の住宅供給で急速に宅地化が進んだ地域でもあります。その結果、狭い路地や袋小路に面した住宅が多く、接道義務(建築基準法で定められた、建築物を建てる際に道路に2メートル以上接していなければならないルール)を満たしていない土地が数多く残っています。
このような土地に建っている建物は「再建築不可物件」と呼ばれ、新築の建替えができないという制約を持っています。
再建築不可物件を購入するリスク

「再建築不可」と聞くと「危ない」「絶対に買ってはいけない」と思う方も少なくありません。実際にリスクは明確に存在します。
1. 資産価値が低く、売却が難しい
再建築不可物件は、買い手が限られるため市場での価値が低く評価されます。将来的に売却しようとしても、相場よりかなり安くしなければならないケースが多いです。
2. 融資がつきにくい
金融機関は再建築不可物件に対して消極的です。住宅ローンが通らない場合も多く、現金での購入が必要になることがあります。購入検討者にとってもハードルが高いポイントです。
3. 建て替えできない
古家を取り壊した後に新しい家を建てることができないため、リフォーム前提で利用し続けるしかありません。「更地にして売る」という戦略も難しいのが実情です。
4. 災害リスクが高い
狭い道路に面している物件が多く、火災や地震の際に消防車が入れない可能性があります。緊急時の安全面では注意が必要です。
それでも購入メリットがあるケース

リスクがある一方で、「安さ」という大きな魅力があるのが再建築不可物件です。杉並区の人気エリアでは、このメリットが強く働くこともあります。
1. 価格が相場より安い
杉並区の土地は人気が高いため、通常であれば坪単価は高額です。しかし再建築不可物件はその制約ゆえに、2〜3割安い価格で購入できることが多いです。同じ立地で他の物件を買うより、圧倒的に安く住める可能性があります。
2. リフォーム・リノベーションで活用できる
新築は無理でも、既存の建物をリフォームして快適に住むことは可能です。内装や設備を整えれば、普通の住宅と同じように使えます。特に最近は「古家を活かすリノベーション」が人気を集めており、再建築不可物件の需要を後押ししています。
3. 賃貸需要がある
杉並区は大学や専門学校も多く、若者や単身者が多く住む街です。彼らにとっては「安さ」が何よりの魅力。駅から近い再建築不可物件であれば、賃貸需要を見込むことも可能です。
再建築不可物件の解決策・活用方法

「再建築不可だから価値がない」というのは半分正しく、半分誤解でもあります。工夫次第で活用できる余地があるからです。代表的な方法を紹介します。
1. 隣地を購入して接道義務を満たす
再建築不可の一番の理由は「道路に2m以上接していない」こと。
もし隣の土地が売りに出たらチャンスです。隣地を買い増しして自分の土地と一体化すれば、合計で2m以上道路に接するようになり、再建築可能になるケースがあります。
この方法が現実的なのは、杉並区のように狭小地や私道が多いエリアだからです。小さい区画が分譲されているため、隣地をまとめることで価値が一気に高まります。
👉 「2つの土地を安く買って、将来再建築可能にする」 という投資戦略にもなります。
2. セットバックで再建築可能にする
前面道路の幅が4m未満の場合、将来建て替える際に自分の敷地を少し後退させて(セットバックして)道路幅を確保すれば、再建築が認められるケースがあります。
杉並区は細い路地が多いので、このパターンに当てはまる土地は少なくありません。
もちろん、敷地面積は少し減ってしまいますが、「再建築不可」から「再建築可能」に格上げされるメリットの方が圧倒的に大きいです。
3. リフォーム・リノベーションで活用する
新築はできなくても、既存の建物を活かして住むことは可能です。
水回りの入れ替えや間取り変更、断熱改修を行えば、快適な住空間をつくれます。
最近は「古家リノベーション」の需要が高まっており、リノベ済み再建築不可物件を賃貸に出したり、売却したりする事例も増えています。
👉 「新築が建てられない=終わり」ではなく、「古家を活かす」発想が大事です。
4. 賃貸用物件として活用する
杉並区は若い層や単身者が多く、家賃相場も比較的高めです。
再建築不可物件でも「駅近・安めの賃料」という条件であれば、十分に入居者が見つかります。
例えば、相場が8万円のエリアでも、6万円で貸せば需要は十分。購入費用が安い分、利回りが高くなるのが魅力です。
「出口戦略が取りにくい」リスクを、賃貸収益で回収するという考え方です。
5. 行政の空き家対策や補助金を活用する
杉並区は空き家対策に力を入れており、老朽化した住宅の改修に対して補助金が出る制度があります。
例えば、耐震改修・バリアフリー改修・省エネリフォームなどに対して補助が受けられることがあります。
これを利用すれば、現金負担を抑えつつ資産価値を維持・向上させられるので、再建築不可物件でも長期的に安心して使えるようになります。
6. 将来的な売却戦略を考える
出口戦略はとても重要です。再建築不可物件は一般的に売りにくいですが、以下のケースなら買い手が現れる可能性が高いです。
- 隣地所有者(まとめて使いたい)
- 投資家(安く買って賃貸に回したい)
- 相続・事業用地を狙う人
つまり、「誰に売れる可能性があるか」を考えながら活用することで、購入後の不安が減ります。
杉並区のエリア別の特徴

杉並区は23区の中でも住宅地としての人気が高いエリアです。場所ごとに特徴が異なるため、購入検討の際には地域性を理解しておくと安心です。
- 荻窪・西荻窪:落ち着いた住宅街が広がり、ファミリー層から人気。学校や公園も多く、長く住むのに適している
- 高円寺・阿佐ヶ谷:商店街や文化的な雰囲気があり、若者や単身者に人気。賃貸需要も強く、投資物件として検討しやすい
- 方南町・永福町:井の頭線沿線で、都心へのアクセスが良好。駅近物件なら出口戦略も取りやすい
坪単価の参考データ(杉並区)
| 指標 | 坪単価(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 公示地価・住宅地平均 | 約 214 万円/坪 | 杉並区内住宅地の公示地価平均値。㎡単価で約 64.8万円/㎡。 |
| 土地売買取引相場 | 約 269 万円/坪 | 取引事例をもとにした最新の土地相場。㎡単価約 81.5万円/㎡。駅近・利便性等良い条件のものが含まれる。 |
| 荻窪駅近辺土地相場 | 約 264〜274 万円/坪 | 荻窪駅周辺 (駅近・条件良い土地) 相場。 用途地域・前面道路・駅徒歩分数によって変動。 |
| 杉並区全体の公示地価平均(住宅地) | 約 205 万円/坪 | 過去データで、駅からの距離など普通の条件の土地での平均的な価格。 |
杉並区の再建築不可物件を考えるとき、「価格の安さ」は最大の魅力の一つです。参考までに、杉並区の土地(住宅地)の相場データを見ると、公示地価平均で約214万円/坪という数字があります。
また、駅近・利便性の高い物件では 約269万円/坪 という取引実績も。
こうした相場に比べて、再建築不可物件は2〜3割以上安くなることも多く、150〜200万円/坪 前後で出てくる物件もあります。
条件が悪ければさらに下がる可能性もあるので、「坪単価からどれだけ割安か」もチェックポイントです。
まとめ

杉並区の再建築不可物件は、確かにリスクを伴います。資産価値や災害リスク、融資の難しさといった点は、購入前にしっかり理解しておく必要があります。
しかし一方で、人気エリアに安く住めるチャンスでもあり、リノベーションや賃貸活用によって十分に使い道があります。さらに、隣地の買い増しや行政の補助制度など、将来的に再建築の可能性を開く方法も存在します。
重要なのは、「何のために購入するのか」目的を明確にして、出口戦略を持つこと。
リスクを理解したうえで上手に活用すれば、杉並区の再建築不可物件は決して「大丈夫じゃない」わけではありません。むしろ人によっては魅力的な選択肢になり得ます。
「他の23区内再建築不可物件をさらに詳しく知りたい、近隣区のおすすめハウスメーカーを知りたい方はこちらの記事もおすすめです」

コメントを残す